理解し辛いパチンコ中毒

 

パチンコに限った話では無いのですが、ギャンブル中毒に対する理解は中々進みません。
その中でも特に大きい理由として、普通の人には一切その感覚が分からないからです。

 

例えばお酒なら、中毒にならずとも酔った時の感覚というのはかなりの人が共感できます。
それがアルコール中毒に発展するかは別として、普段とは違う気持ちや感覚が存在する事が分かるのです。
煙草は昔ほど共感してくれる人は減りましたが、嗜好品としてルールさえ守ってくれれば認められています。

 

しかしパチンコ中毒は別物です。
お酒や煙草と違い、世間的なパチンコというものの評価は最悪で、好きだと堂々と言える代物ではありません。
むしろ人付き合いの面ではやっていることがバレるだけでイメージが下がるものであり、やらない人からすれば害虫と大差ないと言っていい程毛嫌いされるものです。

 

やらない人には、どうしてパチンコに依存してしまうのかが理解できないのです。
何よりパチンコを趣味としているその人の気持ちは、理解できないというより「したくない」という方も多いです。
中毒になる気持ちは分からないけれど、なってしまえば人生がどうなるかというのは簡単に分かってしまうからです。
わざわざ破滅に関わるのは嫌だという、普通の感性を持った人の自己防衛です。

 

パチンコは勝てないというのは正しい

パチンコ中毒の基本は、自分の認識か順番に書き換わっていくのが原因です。
初めてギャンブルをする時は、殆どの人は少額投資しかしません。
この少額投資には、「絶対に勝てない」という思い込みがあるからです。

 

パチンコは胴元が儲かるもので、そうでなければ店が存続する訳がないという考え方です。
それは正しい認識で、全体的に見ればお客は負けていて、その負け金で店は営業ができています。
実際初挑戦の八割程度の方は負けて、やっぱりパチンコなんてするものではないという意識を再確認してパチンコとの関係はおしまいです。

 

勝ってしまうという最悪の運

 

しかし運が悪いことに、残り二割の方が偶然勝ってしまいます。
勝つなんて運がいいと思うかもしれませんが、これは間違いなく運が悪いのです。
この二割の方の意識は、絶対に勝てない→勝つこともあるという認識に書き換わってしまいました。

 

当然知識としては、勝つこともあるというのは事前に知っています。
しかしいざ換金して現金が増えてしまった時の非現実感は、お金の魔力も加わって半端なものではありません。
特に今のパチンコはギャンブル性に特化していて、勝つときはどこまでも勝ちます。
最高額で言えば四十万円を超えることもあり、額が大きい程に今までの自身の常識では「あり得ない」事なのです。

 

パチンコは十八歳(高校生不可)から遊べますが、この非現実感は若い程強烈に残ります。
特別な例外でもない限り、十八歳や二十代前半の人が1日で四十万円を得られる事などありません。
大学生やアルバイトの範疇で言えば、どれだけ一月頑張っても二十万円は超えません。
それが一日で、単に「少し運が良かったから」という理由だけで手に入ってしまうのです。

 

この勝ちの記憶は、今までの常識を色々歪める事になります。
中毒になり易い人の思考パターンに生まれるのは、特別感と金銭感覚のズレです。
これは勝つ経験を積めば積むほど酷くなっていき、一度歪んでしまうと元の感覚に戻ることは非常に困難です。

 

 

周りは負けているのに、自分はこんなに勝った選ばれた人と思う特別感。
勝つ額が大きければ大きい程、運が良ければここまでは一日で得ることができるという金銭感覚。

 

パチンコ中毒者とやらない人の大きな溝はこの金銭感覚で、やらない人には一日で十万円は手に入れることが不可能な額。
やる人にとって十万円は大金ではあるが一日で簡単に手に入る額なのです。

 

勝てないと思っている八割の方と、勝つこともある→自分は勝てると段々錯覚していく二割の方とのズレはもう絶対に埋まらない溝で、つい最近まで持っていた普通の常識が完全に壊されてしまうのです。

 

金銭感覚の壊れた先は

 

次の段階として、勝っているいないに関わらずお金遣いが荒くなっていきます。
苦労して得ていないお金というのはどうしても実感が薄く、使っていいラインといけないラインの見極めが甘くなります。
そして勝った経験を得た人にとって、やる前の十万円と今の十万円の価値は全く別物なのです。
昔なら絶対に買わなかったであろう高額商品を買い、月単位で見る生活費がいきなり膨れ上がります。
知らず知らずのうちに生活レベルを上げてしまい、自分の収入に見合わない生活の始まりです。

 

個人差はありますが、若ければ若い程この期間が幸せでたまりません。
社会に出てすぐ、お金さえあれば自分の望みがほぼ叶います。
パチンコ中毒に至る原因はここで、この幸せはパチンコがくれたものとして脳に刻みこまれます。
体力も気力もあるので、まさにお金に物を言わせた豪遊が可能なのです。
パチンコ中毒者が後から振り返ってみると、殆どの人がここが人生の絶頂期です。

 

さてそうなると当たり前ですが、どこかの小さなミス一つでお金は足りなくなります。
これはパチンコに勝つ勝たないの話ではなく、人生経験の無い内にお金だけ手に入れてしまった人全てに言える事なのですが、全く計画的に使えないのです。
先に成功が来てしまったが故に、いざ失敗した時のリカバリー経験がありません。
予定外の事一つで足りなくなり、当然月給では追いつきません。

 

そうなると分不相応な生活レベルの維持資金はパチンコに頼ることになり、そして一般常識である絶対に勝てないパチンコへ段々と戻っていくのです。
元々二割のラッキーが最初に来たというだけのことで、繰り返せば繰り返すほどに普通に負ける八割の回数は増えていきます。

 

大抵の人は、ここまで来るとやる前の普通の生活を忘れています。
そして一度知ってしまった金に物を言わせた好き勝手は、もう忘れることができません。
ここで生活レベルを落とせる方は思い出で終われるのですが、殆どの人は綺麗に切り替えられません。
やる前まで普通であった身の丈に合った生活が、今となってはとても惨めな日々だったと勘違いしてしまうのです。

 

キャッシングでお金を借りる=軍資金

 

 

そして手持ちや収入分が尽きると、金銭感覚が壊れたまま借金をすることになります。
この時の借金は額に関わらず単なる種銭で、勝って増やすための軍資金です。
十万円借りて利息計算に脅える普通の方と違い、十万円程度は自分の中ではもう勝って手に入れられる額なのです。

 

個人差はありますが、少し前の幸せ生活と違いこの時期はどん底です。
何せパチンコで勝たなければ何もかもが成立しない生活になっているので、負ければ負けるほど幸せだった過去が輝きます。
また人によっては高収入を求め転職をする人もいます。
既に生活設計は返済とパチンコ代がセットになるので、いくらお金があっても足りません。

 

パチンコで勝てるという希望はそのまま破滅への道なのです。
一度は現実にそうなった経験があるために、何度負けても取り返せるという考えは抜けません。
身体の中にパチンコという猛毒を抱え込んでしまい、こうなるとパチンコをやめない限りは絶対に毒が抜けません。

 

とても低い可能性ですが、ここから奇跡の勝ちを繰り返して借金を完済したとしても、もう壊れた金銭感覚は戻せないのですぐにまた借金をします。
最早キャッシングで借りる抵抗感は微塵もありません。
上手くいったときの経験だけを根拠に、無理な資金繰りを続けます。
思考パターンはもうやる前とは別人です。

 

絶対に勝てる→勝つこともある→勝てる→何が何でも勝たなければならない

 

また金銭感覚も異常で、流れとしてはこうなります。

 

お金(大切なもの)→お金(運次第)→お金(パチンコをやる為のただの紙)

 

逆に言うと、ただの紙とまで考えてしまうからこそキャッシングに手を出すのです。

 

末路

 

 

最終的には家族や知り合いを巻き込んで金銭トラブルに発展し、どう転んでも債務整理に頼ることになります。
しかしパチンコ中毒の怖さはここからで、借金が自己破産等で綺麗に消えてもパチンコに対する依存は消えていません。
勿論ここまでくる過程に何度も何度もパチンコをやめようと思い、泣くほど後悔する事になります。
しかしこの過程で辛い経験をすればするほど、パチンコで勝っていた頃の記憶は何度もフラッシュバックします。

 

パチンコ依存症の再発率はとても高いです。
色々諸説ありますが、最大の理由は既に気力というものが無くなっている事にあります。
この世には簡単にお金を稼ぐ方法がある事を知っているので、努力や根気が必要な事に対する興味が薄れています。
普通に働いて得た給料額に満足できず、何度も一日で数十万円勝った過去が思い出されます。
ここからは一生壊れた金銭感覚と戦う羽目になります。

 

最後にもう一度言いますが、パチンコで勝つ事は運の悪いことです。
楽してお金が得られるというのは猛毒であり、運が良い時にはそれに気付くことができません。
自分で自分を守るためにも、パチンコからは距離を置きましょう。

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